「世界のブックデザイン展2012−13」に行ってきました
少し前に、印刷博物館でやっている
「世界のブックデザイン展2012−13」を見てきました。
内容はというと
-----------------------(サイトより抜粋開始)
2013年3月にドイツ ライプツィヒで開催された
「世界で最も美しい本コンクール2013」の受賞作14点に、
日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国、ベルギーにて
開催された各国コンクールの受賞作を加えたおよそ200点を展示します。
会場では、全ての本を実際に手に取って確かめ、
世界最高峰のブックデザインと造本技術を楽しんでいただくことができます。
-----------------------(終了)
というもの。
平たく言うと、本の見目、印刷、造本、組版などについて
優れた本が集まった展示です。

1冊1冊丁寧に見て行きたいところだけど、
それをやったら本っ当に大変(苦笑)
この展示を見に行った日は、その後にちょっと用事があって、
時間も限られていたので、
「さっくり見るぞ」と決めて出かけたんですけど、無理でした〜。
結局時間が許すギリギリまで
気になる本を片っ端から見て行ったら、最後頭がパンク。
やっぱり各国で選ばれてきた本たちですから、
見応えがあって、
どうしても斜めには見れなかった!!
なんとなーくの印象ですけど、
選評をいくつか読んだ感じ、
組版が上手だと褒められた本が
今年は多かったような気がします。
(たまたま目についたのがそうだった、だけかもしれませんが…。
ちなみに去年は造本が凝ってたものが多かった印象です)
気になった本はメモってきたので、
書名にその本の外観がわかるリンクを張り、
そして個人的な雑感を書いておきます。
ドイツの本が多いのは、そこを重点的に見たからなので、
ご容赦ください…。
*-*-*-*-*-*-
「WIR」
文房具好きだったらたまらない作り。
おもむろに鞄から取り出して、
机に広げてメモを取るような仕草をしても違和感なしの1冊。
「Kindheit」
インクの香りがして
まさしく「刷ってます」という存在感があった本。
色合いもきれい。
「Von Meerjungfrauen, Kapitänen und fliegenden Fischen:
Geschichten und Gedichte rund ums Wasser」
かわいいコスメのような本。
たぶん女子は喜んでページをめくるんじゃないかな?
言葉がわからなくても、見てて楽しい。
「As if an entrance is over there」
半分に折った紙の外側にテキストが印刷され、
内側には表紙に使われているような
ちょっと和柄っぽい鮮やかな模様が印刷されている。
この内側の模様が、ふんわりとテキストの背景に透けて見えるのがきれい。
紙だからこそできる演出のひとつ。
「In einer deutschen Pension」
イラストと本文組みの雰囲気がすごくマッチしているのと、
ピンクや赤紫のビビッドな色使いがちょっと珍しい&
これも女子女子しててかわいいなぁ、と思った1冊。
*-*-*-*-*-*-
あと、中国の本で
新しいのにいかにも古く見せるために、
汚れとかを印刷した本があったんですけど、
漢字がメモれなかった上、
どう検索していいかわからなくて…。
「一人ひとり」みたいな、そんなタイトルのやつでした。
一応、そんな本がありましたよ、というご報告まで。
会場は混雑するほどではないにせよ、
常に平均10〜15人ぐらい室内にいて、
熱心にページをめくっている、という感じ。
それぞれ気になる本に手を伸ばして、
食い入るように見つめたり、
紙の質感を確かめたりしている姿が印象的でした。
この企画展は今週末まで開催。
会期も残りわずかですが、もしお時間があればぜひ!
「世界のブックデザイン展2012−13」を見てきました。
内容はというと
-----------------------(サイトより抜粋開始)
2013年3月にドイツ ライプツィヒで開催された
「世界で最も美しい本コンクール2013」の受賞作14点に、
日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国、ベルギーにて
開催された各国コンクールの受賞作を加えたおよそ200点を展示します。
会場では、全ての本を実際に手に取って確かめ、
世界最高峰のブックデザインと造本技術を楽しんでいただくことができます。
-----------------------(終了)
というもの。
平たく言うと、本の見目、印刷、造本、組版などについて
優れた本が集まった展示です。

1冊1冊丁寧に見て行きたいところだけど、
それをやったら本っ当に大変(苦笑)
この展示を見に行った日は、その後にちょっと用事があって、
時間も限られていたので、
「さっくり見るぞ」と決めて出かけたんですけど、無理でした〜。
結局時間が許すギリギリまで
気になる本を片っ端から見て行ったら、最後頭がパンク。
やっぱり各国で選ばれてきた本たちですから、
見応えがあって、
どうしても斜めには見れなかった!!
なんとなーくの印象ですけど、
選評をいくつか読んだ感じ、
組版が上手だと褒められた本が
今年は多かったような気がします。
(たまたま目についたのがそうだった、だけかもしれませんが…。
ちなみに去年は造本が凝ってたものが多かった印象です)
気になった本はメモってきたので、
書名にその本の外観がわかるリンクを張り、
そして個人的な雑感を書いておきます。
ドイツの本が多いのは、そこを重点的に見たからなので、
ご容赦ください…。
*-*-*-*-*-*-
「WIR」
文房具好きだったらたまらない作り。
おもむろに鞄から取り出して、
机に広げてメモを取るような仕草をしても違和感なしの1冊。
「Kindheit」
インクの香りがして
まさしく「刷ってます」という存在感があった本。
色合いもきれい。
「Von Meerjungfrauen, Kapitänen und fliegenden Fischen:
Geschichten und Gedichte rund ums Wasser」
かわいいコスメのような本。
たぶん女子は喜んでページをめくるんじゃないかな?
言葉がわからなくても、見てて楽しい。
「As if an entrance is over there」
半分に折った紙の外側にテキストが印刷され、
内側には表紙に使われているような
ちょっと和柄っぽい鮮やかな模様が印刷されている。
この内側の模様が、ふんわりとテキストの背景に透けて見えるのがきれい。
紙だからこそできる演出のひとつ。
「In einer deutschen Pension」
イラストと本文組みの雰囲気がすごくマッチしているのと、
ピンクや赤紫のビビッドな色使いがちょっと珍しい&
これも女子女子しててかわいいなぁ、と思った1冊。
*-*-*-*-*-*-
あと、中国の本で
新しいのにいかにも古く見せるために、
汚れとかを印刷した本があったんですけど、
漢字がメモれなかった上、
どう検索していいかわからなくて…。
「一人ひとり」みたいな、そんなタイトルのやつでした。
一応、そんな本がありましたよ、というご報告まで。
会場は混雑するほどではないにせよ、
常に平均10〜15人ぐらい室内にいて、
熱心にページをめくっている、という感じ。
それぞれ気になる本に手を伸ばして、
食い入るように見つめたり、
紙の質感を確かめたりしている姿が印象的でした。
この企画展は今週末まで開催。
会期も残りわずかですが、もしお時間があればぜひ!
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岡山はすごいブックスポットでした
「beco talk」というイベントが西荻窪のbeco cafeで
定期的に開催されていまして、先日そこにお邪魔してきました。
こちらのイベント、毎回本や書店などに関するテーマを設定し、
主催の空犬さんという方と、ゲストがトークを展開していくのですが、
今回のテーマは
【いま、岡山のブックスポットが面白い!書店・古書店・ブックカフェで歩く岡山】
超ニッチなテーマです。
個人的に岡山は縁もゆかりもない。
知ってることといったら桃太郎と、
地盤が固いので移住にオススメの土地No.1だと聞いたことぐらい。
では、なぜ伺ったのか。
それはゲストのお一人が451BOOKSというお店の店主、根木さんだったからです。
****
451BOOKSさんとの最初の出会いは
ショコカタワラを始める前に
zineのことをインターネットで調べているときでした。
これが個人的にはいろいろ衝撃だったんです。
「すごい!zineがいっぱい!」
「っていうか、ここのセレクト、私の好みなんだけど!!」
「お店、どこにあるんだろう!?すごい、行きたい!!」
「え?……岡山?」
…と、まぁこんな感じでして(苦笑)
サイトを見ただけでお店を好きになる、ということはあまり個人的にないのですが、
ここは例外でした。
「こんなお店が近所にあったらいいのに」
「自分もちょびっと近づけないだろうか」
そんなことを思いながら、
本と人の間で自分ができることを考えていったのです。
しかし、東京から岡山はなかなか遠く、
そうそう気軽に行くこともできず、
実店舗はどんなところなんだろう、と妄想するばかりだったところに
このイベント開催のニュースですよ。
そのニュースを見たとき、二度見どころか4回ぐらい確かめました。
というのも。
すっごい情けない話なんですけど、
昔、似た名前の屋号の方(古書店さん)がトークイベントをする、という告知を見間違って、
すっかり451BOOKSさんだと思い込み、ウキウキしながら申し込んでしまったことがありまして…。
当日、別人と気づき、ショックだったというほろ苦い経験があり…。
(そのときのお話も面白かったので結果オーライですが)
なので、確認に確認を重ね、「本物やー!!」となったところで
会場となるbeco cafeさんへいそいそと申し込んだわけです。
(a)
(b)
(a) 当日頂戴した岡山フリペの数々。一番手前の『FOR BOOK LOVERS」は451BOOKSさんで作成しているもの。
(b)『FOR BOOK LOVERS」を開くと、岡山にあるオススメのカフェやギャラリー、書店などを掲載したマップが表れる。これだけでもすごい情報量だけど、このほか本に関わる方からオススメ本に関する寄稿文なども載っていて、ホントに読み応えのあるフリペ。
****
正直最初は、根木さんのお姿を拝見してお話を聞くことができれば満足、と思っていたのですが、
お話もさることながら
想像以上に岡山の本を取り巻く環境がすばらしく、
すっかりこの土地に興味津々になってしまいました。
今回のイベントは「'Scapes(スケープス)」という雑誌の特集と連動しており、
トークでは、そこに掲載されている書店を中心に、
空犬さんの取材こぼれ話的なものを交えながら、たくさんの写真とともに
根木さんと岡山のブックスポットを紹介していく、という流れ。
グダグダと前置きが長くなってしまいましたが、一応イベントレポということで、
そこで雑誌に掲載されているお店を中心に
聞いた話や写真を見た印象を簡単に書き留めておきます。
(イベント中、メモを取れなかったので何か勘違いなどしてたらすみません…。
あと「写真を見た印象」なので、実際に行くとまた違うかもしれません。
あくまでも参考程度に読み流してくださいませ)
一応、お店HPへのリンクを貼りましたが、
雑誌の写真(撮影は浅田政志さん)もテキストも
ステキなので、よろしければそちらもぜひ。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
451BOOKSさん
お店の様子を拝見したことがなかったので、
どんなところだろうとドキドキしていると、
素敵な本がたくさん並ぶ中に、スクッと伸びるらせん階段が。
脳内に「バキューーーーン!」と心臓を貫かれた音が鳴り響きました(笑)
入ったお店にらせん階段があったら、無性にワクワクしません??
あと天井が「体育館みたいな作り」とおっしゃっていましたが、
個人的には植物園にフラミンゴがいるような印象でした。
「豊かな熱帯」みたいな…そんなイメージです。(抽象的ですみません)
本ばかりでなく雑貨も取り扱っていらっしゃるのですが、
そこも含めて想像通り
隅から隅まで、私のお気に入りにしたいラインナップでした。
カフェZさん
店内を風が気持ちよく吹き抜けて行きそうなカフェです。
ギャラリーも併設されていて、
「焼き板」という岡山の伝統をモチーフにした壁面は
黒くてシックなのだけど、空気を重くさせない絶妙なバランス。
木のぬくもりっていいなぁ、とじんわり。
ここでは根木さんが講師となって
「おとなのためのえほんこうざ」が開催されるとのこと。
むちゃくちゃ行きたい。
ELD(イールド)さん(インテリアショップ)
オリジナル家具の工房を併設するインテリアショップ。
並んでいるアイテムはオシャレだけど、
ただそれだけじゃなくて、なんとなくやさしい感がしました。
店内のとある壁、一面に根木さんセレクトの本が並んでいるのですが、
すごく自然になじんでいて、
本と家具との親和性の良さを改めて感じた次第です。
本棚、作るとなったらこういうところにお願いしたい。
KAPITAL SOHO BOOKSさん(古書店)
アパレルショップの「KAPITAL」さんが
展開の一つとして書籍を扱う店舗を開いたのがこちら。
ご縁があって茅場町にある森岡書店さんの協力の下、
アート系の本をメインに取り扱っていらっしゃいます。
昔の公民館・図書館だった建物の一室に展開されていて、
建物の赤茶けた外観は月日を経たことでしかでない良さがにじんでいるのですが、
店内はモダン。
日当りの良さが印象的でしたが、
トーク内で空犬さんがおっしゃっていたように
本のヤケは大丈夫か、本好きとしてはちょっと気になるところです^^;
公民館・図書館時代に使っていた椅子、机、棚などを一部什器として活用しているところで
小学校っぽい、どこか懐かしい感じがして、
初めて行ってもすぐに落ち着けそうなお店だな、と勝手に想像しました。
万歩書店さん
店の外にある看板からは想像もできない
「本の森」が広がる古書店。
写真を見ながら「ここはやばい」と本能が告げました。(良い意味です)
左右はもちろん、上に、下手したら床にも本・本・本。
なんとも探検しがいのある、1日いても飽きないであろうお店。
代官山の蔦屋書店はわざと迷子になりそうな作りにしている(=回遊性を高めている)のですが、
ここのお店は意図せずそうなってしまい、
蔦屋書店以上にぐるぐるしてしまいそうな感じがたまらんです。
「良いカオス」っていう言葉はこういうお店のためにあるんだと思いました。
蟲文庫さん
以前よりお名前は見知っていたのですが、
お店の様子をちゃんと拝見するのは初めてでした。
万歩書店に比べると、こじんまりとした店内ですが、
カウンターの後ろになぜか顕微鏡が見えたり、化石や鉱石が置いてある、といった感じで
小さいながらもちょっとした非日常的な空間になっているところが面白かったです。
写真から受ける印象は、マイナスイオンにあふれる店内。
店主の田中さんの手から胞子や亀、苔などの本が生まれてくることが
大変納得できた次第です。
このほか、市内には紀伊国屋、三省堂、丸善といった
書店のビッグ3も店舗を構えており、
こういった新刊書店に関するお話は、もう1人のゲスト、
三省堂の内田さんも加わって進行。
三省堂が岡山駅の駅ビルに出店するときのお話は興味深く、
もっと深堀りして聞いてみたかったです。
(企業の戦略に関わるところなので難しいと思いますが…)
その後、岡山文庫の話や岡山とゆかりの深い小説や作家さんのお話など、
内容盛りだくさんのトークとなり、ホントに実りの多いひとときでした。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
イベント終了後、いろいろ話を聞く中からの気づきも多く、
その中の1つに、
日本各地にはこんなふうに魅力あるブックスポットがいくつもあるんだろうな、
ということがあります。
ただ、それは住んでる人じゃないとわからないことが多い。
「d design travel」のブックスポット版ができたら最高なのですが、
それにはさらに根木さんのような地元と本に深く関わっている方の存在が不可欠。
「どうにかしてうまくできないかな」とその後、ぼんやり考えています。
…というわけで、すっかり岡山熱が高まったワタクシ。
最近「松本、行こうよ。案内するから」と言う機会が増えつつあるのですが、
それに加えて
「岡山行かない?ちょっと本屋めぐりしようよ」
と言う機会も増えそうです。
ひとまず夏まではちょっとバタバタするので、
秋ぐらいに行けたらいいなぁ、と今、うっすら目論んでいます。
定期的に開催されていまして、先日そこにお邪魔してきました。
こちらのイベント、毎回本や書店などに関するテーマを設定し、
主催の空犬さんという方と、ゲストがトークを展開していくのですが、
今回のテーマは
【いま、岡山のブックスポットが面白い!書店・古書店・ブックカフェで歩く岡山】
超ニッチなテーマです。
個人的に岡山は縁もゆかりもない。
知ってることといったら桃太郎と、
地盤が固いので移住にオススメの土地No.1だと聞いたことぐらい。
では、なぜ伺ったのか。
それはゲストのお一人が451BOOKSというお店の店主、根木さんだったからです。
****
451BOOKSさんとの最初の出会いは
ショコカタワラを始める前に
zineのことをインターネットで調べているときでした。
これが個人的にはいろいろ衝撃だったんです。
「すごい!zineがいっぱい!」
「っていうか、ここのセレクト、私の好みなんだけど!!」
「お店、どこにあるんだろう!?すごい、行きたい!!」
「え?……岡山?」
…と、まぁこんな感じでして(苦笑)
サイトを見ただけでお店を好きになる、ということはあまり個人的にないのですが、
ここは例外でした。
「こんなお店が近所にあったらいいのに」
「自分もちょびっと近づけないだろうか」
そんなことを思いながら、
本と人の間で自分ができることを考えていったのです。
しかし、東京から岡山はなかなか遠く、
そうそう気軽に行くこともできず、
実店舗はどんなところなんだろう、と妄想するばかりだったところに
このイベント開催のニュースですよ。
そのニュースを見たとき、二度見どころか4回ぐらい確かめました。
というのも。
すっごい情けない話なんですけど、
昔、似た名前の屋号の方(古書店さん)がトークイベントをする、という告知を見間違って、
すっかり451BOOKSさんだと思い込み、ウキウキしながら申し込んでしまったことがありまして…。
当日、別人と気づき、ショックだったというほろ苦い経験があり…。
(そのときのお話も面白かったので結果オーライですが)
なので、確認に確認を重ね、「本物やー!!」となったところで
会場となるbeco cafeさんへいそいそと申し込んだわけです。
(a)


(a) 当日頂戴した岡山フリペの数々。一番手前の『FOR BOOK LOVERS」は451BOOKSさんで作成しているもの。
(b)『FOR BOOK LOVERS」を開くと、岡山にあるオススメのカフェやギャラリー、書店などを掲載したマップが表れる。これだけでもすごい情報量だけど、このほか本に関わる方からオススメ本に関する寄稿文なども載っていて、ホントに読み応えのあるフリペ。
****
正直最初は、根木さんのお姿を拝見してお話を聞くことができれば満足、と思っていたのですが、
お話もさることながら
想像以上に岡山の本を取り巻く環境がすばらしく、
すっかりこの土地に興味津々になってしまいました。
今回のイベントは「'Scapes(スケープス)」という雑誌の特集と連動しており、
トークでは、そこに掲載されている書店を中心に、
空犬さんの取材こぼれ話的なものを交えながら、たくさんの写真とともに
根木さんと岡山のブックスポットを紹介していく、という流れ。
グダグダと前置きが長くなってしまいましたが、一応イベントレポということで、
そこで雑誌に掲載されているお店を中心に
聞いた話や写真を見た印象を簡単に書き留めておきます。
(イベント中、メモを取れなかったので何か勘違いなどしてたらすみません…。
あと「写真を見た印象」なので、実際に行くとまた違うかもしれません。
あくまでも参考程度に読み流してくださいませ)
一応、お店HPへのリンクを貼りましたが、
雑誌の写真(撮影は浅田政志さん)もテキストも
ステキなので、よろしければそちらもぜひ。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
451BOOKSさん
お店の様子を拝見したことがなかったので、
どんなところだろうとドキドキしていると、
素敵な本がたくさん並ぶ中に、スクッと伸びるらせん階段が。
脳内に「バキューーーーン!」と心臓を貫かれた音が鳴り響きました(笑)
入ったお店にらせん階段があったら、無性にワクワクしません??
あと天井が「体育館みたいな作り」とおっしゃっていましたが、
個人的には植物園にフラミンゴがいるような印象でした。
「豊かな熱帯」みたいな…そんなイメージです。(抽象的ですみません)
本ばかりでなく雑貨も取り扱っていらっしゃるのですが、
そこも含めて想像通り
隅から隅まで、私のお気に入りにしたいラインナップでした。
カフェZさん
店内を風が気持ちよく吹き抜けて行きそうなカフェです。
ギャラリーも併設されていて、
「焼き板」という岡山の伝統をモチーフにした壁面は
黒くてシックなのだけど、空気を重くさせない絶妙なバランス。
木のぬくもりっていいなぁ、とじんわり。
ここでは根木さんが講師となって
「おとなのためのえほんこうざ」が開催されるとのこと。
むちゃくちゃ行きたい。
ELD(イールド)さん(インテリアショップ)
オリジナル家具の工房を併設するインテリアショップ。
並んでいるアイテムはオシャレだけど、
ただそれだけじゃなくて、なんとなくやさしい感がしました。
店内のとある壁、一面に根木さんセレクトの本が並んでいるのですが、
すごく自然になじんでいて、
本と家具との親和性の良さを改めて感じた次第です。
本棚、作るとなったらこういうところにお願いしたい。
KAPITAL SOHO BOOKSさん(古書店)
アパレルショップの「KAPITAL」さんが
展開の一つとして書籍を扱う店舗を開いたのがこちら。
ご縁があって茅場町にある森岡書店さんの協力の下、
アート系の本をメインに取り扱っていらっしゃいます。
昔の公民館・図書館だった建物の一室に展開されていて、
建物の赤茶けた外観は月日を経たことでしかでない良さがにじんでいるのですが、
店内はモダン。
日当りの良さが印象的でしたが、
トーク内で空犬さんがおっしゃっていたように
本のヤケは大丈夫か、本好きとしてはちょっと気になるところです^^;
公民館・図書館時代に使っていた椅子、机、棚などを一部什器として活用しているところで
小学校っぽい、どこか懐かしい感じがして、
初めて行ってもすぐに落ち着けそうなお店だな、と勝手に想像しました。
万歩書店さん
店の外にある看板からは想像もできない
「本の森」が広がる古書店。
写真を見ながら「ここはやばい」と本能が告げました。(良い意味です)
左右はもちろん、上に、下手したら床にも本・本・本。
なんとも探検しがいのある、1日いても飽きないであろうお店。
代官山の蔦屋書店はわざと迷子になりそうな作りにしている(=回遊性を高めている)のですが、
ここのお店は意図せずそうなってしまい、
蔦屋書店以上にぐるぐるしてしまいそうな感じがたまらんです。
「良いカオス」っていう言葉はこういうお店のためにあるんだと思いました。
蟲文庫さん
以前よりお名前は見知っていたのですが、
お店の様子をちゃんと拝見するのは初めてでした。
万歩書店に比べると、こじんまりとした店内ですが、
カウンターの後ろになぜか顕微鏡が見えたり、化石や鉱石が置いてある、といった感じで
小さいながらもちょっとした非日常的な空間になっているところが面白かったです。
写真から受ける印象は、マイナスイオンにあふれる店内。
店主の田中さんの手から胞子や亀、苔などの本が生まれてくることが
大変納得できた次第です。
このほか、市内には紀伊国屋、三省堂、丸善といった
書店のビッグ3も店舗を構えており、
こういった新刊書店に関するお話は、もう1人のゲスト、
三省堂の内田さんも加わって進行。
三省堂が岡山駅の駅ビルに出店するときのお話は興味深く、
もっと深堀りして聞いてみたかったです。
(企業の戦略に関わるところなので難しいと思いますが…)
その後、岡山文庫の話や岡山とゆかりの深い小説や作家さんのお話など、
内容盛りだくさんのトークとなり、ホントに実りの多いひとときでした。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
イベント終了後、いろいろ話を聞く中からの気づきも多く、
その中の1つに、
日本各地にはこんなふうに魅力あるブックスポットがいくつもあるんだろうな、
ということがあります。
ただ、それは住んでる人じゃないとわからないことが多い。
「d design travel」のブックスポット版ができたら最高なのですが、
それにはさらに根木さんのような地元と本に深く関わっている方の存在が不可欠。
「どうにかしてうまくできないかな」とその後、ぼんやり考えています。
…というわけで、すっかり岡山熱が高まったワタクシ。
最近「松本、行こうよ。案内するから」と言う機会が増えつつあるのですが、
それに加えて
「岡山行かない?ちょっと本屋めぐりしようよ」
と言う機会も増えそうです。
ひとまず夏まではちょっとバタバタするので、
秋ぐらいに行けたらいいなぁ、と今、うっすら目論んでいます。
祝!「生者と死者」復刊
この本の存在を知ったのは
紙や製本、書籍編集などの現場で活躍している方々が
本についてフランクに語る、「本のサロン」というイベントでのことでした。
「こんな面白い本があるんですよ」
と言ってニヤリとしながら「生者と死者」という本を取り出したのは
確か烏有書林さんだったかと思います。
「文庫本なんですけどね、実はこれ、もともと袋とじになっていて、
最初まずこの袋とじになっている状態で読む。
読み終わったら次にこの袋状になっているところを開くと、
もう1つのストーリーが現れるんです」
それを聞いたときの衝撃といったら!!
ストーリーも気になるし、
本の作りも気になるし、
あぁ!欲しい!!!
…と思うのが人間として素直な感情。
しかし本には「絶版(重版未定)」というものがありまして。
案の定、これは絶版状態で、
ネットで探せば古本は出回っているけど、
どうせなら袋とじの状態から欲しい、というのが造本装丁フェチの本音。
仕方がないので
「いいな、いいな、
いつか読めたらいいな」
なんて淡い期待を寄せながら、
同時に紹介された「しあわせの書」という本を読み、
そちらにも施されたびっくりな仕掛けに
「うひゃあ!」と驚きの声を上げるばかりでした。
と、そこへ復刊の朗報。
どうやら「しあわせの書」がラジオか何かで紹介されたらしく、
爆発的に売れた模様。
この勢いに乗らねば!!というわけで
新潮社さんががんばってくれたようです。ありがとう!!ありがとう!!
というわけでですね。
早速買ってきましたよ。
2冊。
レジで「同じもの2冊ですけど、大丈夫ですか〜?」と聞かれました。
大丈夫です。
袋とじのまま用と開く用ですから。

あの、普通はここまでしなくていいと思います…。
ただ今回、こういった形の文庫は珍しいので、
ぜひぜひ手に取ってみてはいかがかと、
そういうお話です。
ちなみにサブタイトルが
「酩探偵ヨギ ガンジーの透視術」。
うっさんくさいでしょ!?(笑:褒めてます)
というわけで、内容的にも楽しみながら読めるのではないかと思います。
(「しあわせの書」はそうだった。
あ、ちなみに「生者と死者」は「しあわせの書」の続編にあたるみたいだけど、
たぶんすっ飛ばしても大丈夫…ではないかと。ベストは両方ゲットする)
ちなみに、ずっと本の作りのことばっかり言ってますが、
作者は数多くのミステリーを送り出している泡坂妻夫先生。
というか、こんな作品を作ってしまうのだから
その筆力については説明不要でしょう。
1冊で2度おいしい、お得な話が
今、本屋で手に入ります。
紙や製本、書籍編集などの現場で活躍している方々が
本についてフランクに語る、「本のサロン」というイベントでのことでした。
「こんな面白い本があるんですよ」
と言ってニヤリとしながら「生者と死者」という本を取り出したのは
確か烏有書林さんだったかと思います。
「文庫本なんですけどね、実はこれ、もともと袋とじになっていて、
最初まずこの袋とじになっている状態で読む。
読み終わったら次にこの袋状になっているところを開くと、
もう1つのストーリーが現れるんです」
それを聞いたときの衝撃といったら!!
ストーリーも気になるし、
本の作りも気になるし、
あぁ!欲しい!!!
…と思うのが人間として素直な感情。
しかし本には「絶版(重版未定)」というものがありまして。
案の定、これは絶版状態で、
ネットで探せば古本は出回っているけど、
どうせなら袋とじの状態から欲しい、というのが造本装丁フェチの本音。
仕方がないので
「いいな、いいな、
いつか読めたらいいな」
なんて淡い期待を寄せながら、
同時に紹介された「しあわせの書」という本を読み、
そちらにも施されたびっくりな仕掛けに
「うひゃあ!」と驚きの声を上げるばかりでした。
と、そこへ復刊の朗報。
どうやら「しあわせの書」がラジオか何かで紹介されたらしく、
爆発的に売れた模様。
この勢いに乗らねば!!というわけで
新潮社さんががんばってくれたようです。ありがとう!!ありがとう!!
というわけでですね。
早速買ってきましたよ。
2冊。
レジで「同じもの2冊ですけど、大丈夫ですか〜?」と聞かれました。
大丈夫です。
袋とじのまま用と開く用ですから。

あの、普通はここまでしなくていいと思います…。
ただ今回、こういった形の文庫は珍しいので、
ぜひぜひ手に取ってみてはいかがかと、
そういうお話です。
ちなみにサブタイトルが
「酩探偵ヨギ ガンジーの透視術」。
うっさんくさいでしょ!?(笑:褒めてます)
というわけで、内容的にも楽しみながら読めるのではないかと思います。
(「しあわせの書」はそうだった。
あ、ちなみに「生者と死者」は「しあわせの書」の続編にあたるみたいだけど、
たぶんすっ飛ばしても大丈夫…ではないかと。ベストは両方ゲットする)
ちなみに、ずっと本の作りのことばっかり言ってますが、
作者は数多くのミステリーを送り出している泡坂妻夫先生。
というか、こんな作品を作ってしまうのだから
その筆力については説明不要でしょう。
1冊で2度おいしい、お得な話が
今、本屋で手に入ります。
プチリニューアル!
ブレーメンカフェさんに設置している
ショコカタワラのコーナーをプチリニューアルしました!
じゃじゃーん!!

箱の追加です。
これで手に取りやすい環境や売り場感を出してみました。
&オーナーの松本さんから
素敵なアイデアもいただいたので、
リニューアル第二弾の構想を進めたいと思います。
(といってもそんな大げさなものではないですが)
あとは本の入れ替えですよね〜。
もう次の本は決めてあるんですよ〜。。。
とか言いながら、後手後手になってますが。。。
そちらも近日中にまたなんとかします!!(汗)
ショコカタワラのコーナーをプチリニューアルしました!
じゃじゃーん!!

箱の追加です。
これで手に取りやすい環境や売り場感を出してみました。
&オーナーの松本さんから
素敵なアイデアもいただいたので、
リニューアル第二弾の構想を進めたいと思います。
(といってもそんな大げさなものではないですが)
あとは本の入れ替えですよね〜。
もう次の本は決めてあるんですよ〜。。。
とか言いながら、後手後手になってますが。。。
そちらも近日中にまたなんとかします!!(汗)
美しい本を作る男に関するつれづれ
本好きなら誰しも気になるであろうドキュメンタリー映画、
「世界一美しい本を作る男ーシュタイデルとの旅ー」を見てきました。

原題は「How to make a book with Steidl」。
直訳すると「シュタイデルの本作り」ってトコですかね。
なので正直、最初邦題を見たとき、
「世界一美しい」
っていう言い回しに「う~~~ん・・・」とうなってしまいました。
もちろん原題どおりじゃ全くキャッチーじゃないので、
何かしらアクセントを付けないといけなかったのはよくわかる。
わかるけど、最上級で言っちゃうか、みたいな。
ある意味高く掲げたハードルを
果たしてこの映画はひらりと飛び越えてくれるのだろうか。
不安と期待が混ぜ合わさった複雑な心境で
映画館へ足を運びました。
見に行ったタイミングは
封切り後、まだ1週間しか経っていなかったり、
メディアで取り上げられたことから、
かなり盛況で立ち見が出るレベル。
映画館自体の席数がそれほど多くない、とか
10時台の回を逃すと、次が21時台になる、
という上映時間の問題もあったかと思いますが、
一定の高い関心は呼べたのではないかと思われ。
内容は小さい出版社ながら、ビッグなクライアントを多数抱える
シュタイデルの経営者が、世界中で打ち合わせを重ねながら
本を作り上げていく様子を追ったドキュメンタリー。
映画になるくらいこの出版社の何がすごいのかというと、
企画、編集、ブックデザイン、印刷、製本といった、
本作りの入り口から出口まで、
一貫してシュタイデル社、
もっと言うと、経営者ゲルハルト・シュタイデル自身がその采配を振るうところ。
本作りが一社でほぼ完結してしまう、ということは
「じゃあ、それはちょっとあっちの担当者に確認してみますね」
ということが一切ない。
トップによる決裁だから、打ち合わせでバンバン物事が決まる。
そして、このスピード感だけじゃなくて、
「クライアントと良いものを作りたい」という姿勢があるからこそ、
シュタイデルには世界中からラブコールがかけられる。
「本作り」の映画である一方、
「人とどのようにして信頼関係を構築するか」ということに関して、
1つの見本を示しているようにも思えました。
フライヤーを見ると、主人公は気難しそうな顔つきをしたおじさんですけど、
いろんな人と交わされる会話はウィットに富んでいて、
なかなかチャーミングな人ではないかと想像します。
で。
こうして見終わった結果、
私は邦題にこう、補足したいと思います。
「世界一美しい(方法で)本を作る男」
ここで言う「美しい」は「スマート」に近いニュアンスです。
正直、印刷や造本・製本など、ピンポイントで見ると、
シュタイデル以上に美しい本を作れる出版社はある。
けど、シュタイデルは
最短距離で最善の本を生み出すという
無駄のない作り方をしている上に
クライアントからの信頼を得て、
一定のクオリティを保ちながら、商業ベースで成り立っているってすごいな、とか、
そんなことをつらつらと考えた結果、
「世界一」という言い回しについては、ある程度の納得感ゲットです。
個人的にはここまで何もかも一人で決めたい、とは思わないけど、
こだわりの本作りにはあこがれます。
やってみたいなぁ。
あと「本作り」以外に、注目できるポイントは2点。
ひとつは上述した、人とのコミュニケーション(信頼関係)について、
そしてあともうひとつは、アーティストとの打ち合わせ場面の背景です。
打ち合わせは大抵アーティストの制作現場や自宅で行われるので、
彼らがどんな環境で作品を生み出しているのかが垣間見えます。
都会に住む人もいれば、
片田舎で暮らす人もいる。
雑然とした一軒家に住む人がいれば、
整然としたマンションに住む人もいる。
画面の端々に映る背景から
それぞれのアーティストの個性が感じられて
個人的にはそれを見ているのも楽しかったです。
映画を見た帰りに、青山ブックセンターに寄ったら
作中で取り上げられていた写真集「iDUBAI」が入荷されていました。
この本が出来上がる様子をくまなく映画で見てきたので、
欲しいなぁ、とは思ったけど、お値段が予算オーバー。。。
ということで、見送ってしまったけど、
中身が確認できて、内容と印刷の状態が良かったら買ってたかも。
しかしまぁ、とにかくキラキラしていて、
映画を見ていたら「ニヤリ」とせずにはいられない出来映えでした。
取扱店は少ないと思いますが、
もし見かけることがあったら、
映画を見た・見てないに関わらず
手に取ることをオススメします。
「世界一美しい本を作る男ーシュタイデルとの旅ー」を見てきました。

原題は「How to make a book with Steidl」。
直訳すると「シュタイデルの本作り」ってトコですかね。
なので正直、最初邦題を見たとき、
「世界一美しい」
っていう言い回しに「う~~~ん・・・」とうなってしまいました。
もちろん原題どおりじゃ全くキャッチーじゃないので、
何かしらアクセントを付けないといけなかったのはよくわかる。
わかるけど、最上級で言っちゃうか、みたいな。
ある意味高く掲げたハードルを
果たしてこの映画はひらりと飛び越えてくれるのだろうか。
不安と期待が混ぜ合わさった複雑な心境で
映画館へ足を運びました。
見に行ったタイミングは
封切り後、まだ1週間しか経っていなかったり、
メディアで取り上げられたことから、
かなり盛況で立ち見が出るレベル。
映画館自体の席数がそれほど多くない、とか
10時台の回を逃すと、次が21時台になる、
という上映時間の問題もあったかと思いますが、
一定の高い関心は呼べたのではないかと思われ。
内容は小さい出版社ながら、ビッグなクライアントを多数抱える
シュタイデルの経営者が、世界中で打ち合わせを重ねながら
本を作り上げていく様子を追ったドキュメンタリー。
映画になるくらいこの出版社の何がすごいのかというと、
企画、編集、ブックデザイン、印刷、製本といった、
本作りの入り口から出口まで、
一貫してシュタイデル社、
もっと言うと、経営者ゲルハルト・シュタイデル自身がその采配を振るうところ。
本作りが一社でほぼ完結してしまう、ということは
「じゃあ、それはちょっとあっちの担当者に確認してみますね」
ということが一切ない。
トップによる決裁だから、打ち合わせでバンバン物事が決まる。
そして、このスピード感だけじゃなくて、
「クライアントと良いものを作りたい」という姿勢があるからこそ、
シュタイデルには世界中からラブコールがかけられる。
「本作り」の映画である一方、
「人とどのようにして信頼関係を構築するか」ということに関して、
1つの見本を示しているようにも思えました。
フライヤーを見ると、主人公は気難しそうな顔つきをしたおじさんですけど、
いろんな人と交わされる会話はウィットに富んでいて、
なかなかチャーミングな人ではないかと想像します。
で。
こうして見終わった結果、
私は邦題にこう、補足したいと思います。
「世界一美しい(方法で)本を作る男」
ここで言う「美しい」は「スマート」に近いニュアンスです。
正直、印刷や造本・製本など、ピンポイントで見ると、
シュタイデル以上に美しい本を作れる出版社はある。
けど、シュタイデルは
最短距離で最善の本を生み出すという
無駄のない作り方をしている上に
クライアントからの信頼を得て、
一定のクオリティを保ちながら、商業ベースで成り立っているってすごいな、とか、
そんなことをつらつらと考えた結果、
「世界一」という言い回しについては、ある程度の納得感ゲットです。
個人的にはここまで何もかも一人で決めたい、とは思わないけど、
こだわりの本作りにはあこがれます。
やってみたいなぁ。
あと「本作り」以外に、注目できるポイントは2点。
ひとつは上述した、人とのコミュニケーション(信頼関係)について、
そしてあともうひとつは、アーティストとの打ち合わせ場面の背景です。
打ち合わせは大抵アーティストの制作現場や自宅で行われるので、
彼らがどんな環境で作品を生み出しているのかが垣間見えます。
都会に住む人もいれば、
片田舎で暮らす人もいる。
雑然とした一軒家に住む人がいれば、
整然としたマンションに住む人もいる。
画面の端々に映る背景から
それぞれのアーティストの個性が感じられて
個人的にはそれを見ているのも楽しかったです。
映画を見た帰りに、青山ブックセンターに寄ったら
作中で取り上げられていた写真集「iDUBAI」が入荷されていました。
この本が出来上がる様子をくまなく映画で見てきたので、
欲しいなぁ、とは思ったけど、お値段が予算オーバー。。。
ということで、見送ってしまったけど、
中身が確認できて、内容と印刷の状態が良かったら買ってたかも。
しかしまぁ、とにかくキラキラしていて、
映画を見ていたら「ニヤリ」とせずにはいられない出来映えでした。
取扱店は少ないと思いますが、
もし見かけることがあったら、
映画を見た・見てないに関わらず
手に取ることをオススメします。